冬枯れの穏やかな自然歩道                    ’09.12.20()

尺岳福智山     記録 山口政敏

 

[参加者]

CL折田 裕 井上昌子 道永渥子 野ア善則 宮ア三郎 川原康廣   

SL林田哲郎 市丸積男 山口政敏 西岡 勝  山ア幸美 永江忠之

BL米倉暢子 伊藤立己 田中 勝 平野徹雄 北島俊郎 稲山伍子

田中慶一郎 井本眞由美


[記 録]
5:30  重登山靴で宅発。細かい水滴(雨)がまばらに降っている。日の出まではまだ大分あり、見上げると月も星もない漆黒の空だ。しかし不吉な感慨にはならない。この日を楽しみに過ごして来、やっと登山日が来たのだ。むしろ、わくわくするほどだ。2日前から雪になったが、その時は「段々面白くなってきたぞ。」とわざと独り言を言った。         
5:50  バスに乗り込む。山口運転士さんに挨拶。笑顔で迎えてくれた。くじを引き、席は後部座席の左前・窓側。右隣通路側には、大崩山のとき一緒だった平野さんが座られ、足長蜂の被害とその後の経過について話してくださった。

6:02  唐津駅南からは10名乗車。人数が揃ったので、発車。

6:12  和多田大土井で2名(川原さんと永江さん)乗車。
6:18  鏡Aコープ着。乗り込んでくるメンバー。今回の参加者全20名がここで揃った。今回は福岡都市高経由なので、多久方面・伊万里方面からも鏡Aコープまで来てもらっている。キャンセルした人がいて、今回は3席空きができた。
6:23  今回の登山「尺岳〜福智山」をガイドパンフレットが全員に配られる(米倉さん)。
7:18  福岡ICで、高速道路に入る。
7:20  CLの折田さんより挨拶と連絡。「今回は20名です。寒波が来ており、昨日天山に登頂した知人が、膝上まで積雪があったと話していました。がれ場など十分注意して歩き、雉打ち・お花摘みも必ずメンバーに告げて行くようにお願いします。古賀ICでトイレ休憩後、会計の井上さんか道永さんに会費を納めてください。会費は風呂代も含めて会員3,500円、一般4,500円です。」 大分、空が明るんでくる。

7:30  古賀SA。トイレ休憩。ほっとレモン¥120   

7:42  全員揃い、発車。CLによる班分け。今回の希望コースはA班13名、B班7名、と決まる。

7:55  空が輝いてくる。見ると、よく晴れている。ありがたい。西岡勝さん撮影のVTR「大崩山」「三俣山」。
8:05  八幡ICより直方市の一般道路に降りる。天気は良好。民家の屋根に、雪が薄く積もっている。だんだん、傾斜が急な山の道路となる。
8:23  竜王峡安入寺公園付近でA班13名は下車。近くに看板があり、「尺岳登山口」とある。地図を確認。その後、ストレッチする。バスはB班を乗せて行ってしまい、林田SLによるコース説明。

8:29  間もなく出発。左右が杉林になった、コンクリートの登り路。まもなくそれがアスファルトの山道になり、杉林だったのが広葉樹林になって、山奥へと続いている。途中、分岐点があり、左に行くと「竜王が丘公園」らしい。地図にも掲載がなく、聞き覚えのない名のように思い、道を右に行く。 
8:43  歩いている道が「赤松尾根」ではなく、沢沿いを歩いていることに、気が付く。どうも地図を見誤ったようだ。このまま行けば「山瀬越」に出る道らしいことが、近くの標識などで明らかとなった。先ほどの分岐点まで引き返す。
8:52  竜王が丘公園分岐。少し急だが階段になった路に入っていく。
9:04  小休止。被服調整・水分補給。
9:16  雪の残るピークで小休止。縦に長くなった隊列を調整し、間もなく出発。左手に樹林を通して尺岳らしい山が見えている。
9:23  小休止。かなり急角度の勾配を歩いている。前に手を伸ばすと地面についてしまいそうな角度が付いている。広々と枯葉を敷き詰めた上に所々雪が覆っている、というような道。
9:55  九州自然歩道の尾根筋に到着。ここからは歩きやすい道なので、ほっとして少し長めの休憩。隊の列も長くなっているので、後方から来るメンバーを待つ。標識には、「左尺岳0.6km・右福智山4.7km」とある。温度計を見ると、−1後から来たメンバーの息が整ったところで、出発。あまり長く立っていると身体が冷えすぎてしまう。
10:08 尺岳平通過。広い、雪の覆った集会所のような印象。大きな屋根付きの休憩所が出来ていた。

10:10 尺岳山頂。標識と小さな祠、背の低い松が点々として枝を伸ばしている。尺岳からは、北に皿倉山(2008年4月に労山の月例登山で登った)が遠く稜線上に望め、北九州の市街地も見えた。北西方向に金剛山、南西方向に雲取山。そして真南に今回の山行では最高峰の福智山(900m)がどっしりと腰を据えてわれわれを待っている。ちなみに、尺岳は標高608mだ。山頂で、林田さん撮影の集合写真に写ったら、出発準備。それでも、山頂では皆何となくのんびり過していた。


尺岳頂上での記念写真


尺岳より去年ここから歩いた皿倉山が望める。


10:18 出発。いざ、福智山を目指して南へ。
10:30 竜王峡分岐〜左に行けば赤松尾根方面〜われわれが今朝来た道。ここは九州自然歩道。まっすぐ南方向へ前進。 
10:49  山瀬越(安入寺越)。小休止。今日最初に迷い込んだ沢筋をあのまま登っていたらここへ出ていたはずである。 
11:16  豊前越。小休止。
11:20  出発。黙々と歩いた。九州自然歩道は、よく整備された歩きやすい道だ。樹林の中、雪の縦走路を行くと上空では樹々を揺らす荒い風がどうどうと音を立てている。単調に見える風景が続く道、少し瞑想的な気分に浸ることができたと思う。  

11:47  烏落分岐。福智山は目と鼻の先だ。ここからの急登はきついだろうと思う。
11:59  樹林の急登を登って行くと、突然視界が開けて、立派な小屋が建つ見晴らしのよい場所へ出た。「荒宿荘」だ。中を見ると先客が4〜5名いて、休憩中。食事をしている人々の顔ぶれは、からつ労山ではなく、見知らぬ登山者たちだ。今福智山から降りてきたらしい人に尋ねるが、女性が5人いる7名の登山者の姿(労山B班)は見なかったと言われた。予定では、この時間にはA・B班が福智山山頂で出会う〜という想定だった。

 B班はこれから降りてくるかも知れず、A班はここで待ちながら昼食を取るということになった。小屋は、地面より一段高い位置に板張りの床。扉は北方向にスライド式の戸があり、東側にノブの付いたドアがある。他は二箇所が窓になっていて、薄暗いが身の回りの視界は何とか見える状態。登山靴を脱ぐと、靴下も靴も湯気を出している。見ると体中から湯気が出ていた。コンロを使う人が多かったが、私は今朝テルモスに詰めてきた熱湯を使い、弁当を食べるときインスタントの生味噌汁を2杯作って飲み、食べたあと、さらにミルクティーを作って飲んだ。この時490mlの熱湯は全部消費した。お握り、コロッケ、ちくわ、ミートボール、ほうれん草の炒めもの、みかん。

 小屋を出る頃、折田さんの携帯電話で米倉さんとつながり、「B班は山頂を下った所で食事中」とのことだったので、ほっとする。この後の行程は、アイゼン着用ということになり、着装。



福知山山頂にて


12:46 点呼後、出発。ここからの行程は、雪混じりの冷たい風が麓から吹き上げてくる、背の低い熊笹の、岩がごつごつした急坂で、皆足場を考えながら四苦八苦して登った。新アイゼンは来る前に何度も着脱練習して調整したお陰もあり、安定しており、歩き心地も悪くなかった。ロング・スパッツを着用している。
12:58  福智山山頂。山頂は吹き荒れて荒涼としていたが、今回の最高峰900.8m。気温−2。風が強いので、体感温度はもっと低かったと思う。吹き荒れてはいても、見晴らしは意外によく、下界の様子がよく分かった。荒れているのは山の上だけで、地上は穏やかな日差しでいつもどおりの日常が営まれている。雲の影が地上をゆっくりと舐めて、街はまだらに日差しが当り、常に変化している。皆、しばし眺望を見晴るかし、堪能。北東方向に見えるセメントの採掘されている山が、巨大な遺跡のように目に映った。CGを使った最近のSF映画か歴史映画の背景のような印象。九州自然歩道は、ここから東方向へと続いていて、美しい自然の一部のように見晴らせた。このよく整備された道とはここからお別れして、われわれは西方向「鷹取山」を目指すことになっている。
13:08  林田さんのカメラで集合写真に納まり、下山する。一旦、山頂の東方向に歩き、道を南に、さらに西に続くコースを行く。鷹取山を目指して.。
13:30  途中スパッツの下の靴紐が緩んでいるのが判り、靴紐を締め直した。
13:38  上野越着。B班がいた痕跡。B班はここにザックを置いて、空身で鷹取山を目指したようだ。見覚えのあるザックに「野崎義則」とマジックで書いてある。皆はここでアイゼンを解除し、同じようにザックを置いて山頂を目指したが、私は先の靴紐締め直しがあり、ここへの到着が少し遅れてしまい、ザックも置かず、アイゼンもそのままに鷹取山を登った。
13:53  鷹取山山頂。633m。かつてここに城があったという。こんな素晴らしい場所に自分の城があったら、まさに天下を取ったような気分になったのではないだろうか?と思う。周囲の視界が開け、街の様子も山の姿も丸見えである。集合写真に納まる。間もなく下山。私はここでアイゼンを解除した。



鷹取山にて八丁をバックにバンザイ

14:10  上野越。小休止。被服調整など。この辺からはもう、皆リラックスして、冗談交じりの会話がずっと続いた。懸念事項はほぼ解消し、気持ちが解放される。
14:45「虎尾桜・源平桜」分岐。
14:53  舗装道路に出る。やれやれである。巨大な立看板のような大地図が掛かっていて、「白糸の滝」へは別の道を登り直さなくてはならない様子。大体計画時間通りの上野峡到着だが、予定では14:30着となっており若干遅れているし、今回はパスした。B班の歩いたコースには見事な氷漠が見られたとのことだった。
15:00  舗装道路を下って行くと、「白糸旅館」先の「上野温泉」付近の駐車場に鬼子岳観光のバスが待っていてくれた。A班にとっては、バス降車より6時間35分経過後の帰還だった。B班で行くと5時間45分が経過している。全員揃って無事・皆笑顔だった。
15:30  方憩いの村温泉下車。やすらぎの湯。割引交渉は会計の井上さんが担当される。温泉の周囲は公園があり、湯から上がって永江さんと「筑豊」の象徴D-51機関車の撮影を楽しんだ。私の場合、物好きの写真撮影ではあるが...。温泉では、「積極的休養法」と心がけ、身体を温めると同時に湯の中で足の裏・ふくらはぎ側部、ふくらはぎ中央線部、膝関節周囲と指圧マッサージをやり、後日こわばり・筋肉痛・関節痛などに陥らないように工夫した。
16:27  バス発。朝来たルートを逆に走り、帰路。道中、西岡さん撮影・編集のVTR「楽しくやろう会」などを楽しむ。席決めが「くじ引き」になり、飲み会の人たちは少しやりにくかったかも知れない。
17:08  九州自動車道「古賀SA」でトイレ休憩・ごみ出し。間もなく発車。SL・CLからの挨拶。林田さんは、「温泉で顔をぬるぬるにする」効果を発表された。折田さんは「去年も悪天候で中止になったこともあり、今回も寒波の影響でどうなるか、と一年の最後の登山を心配していましたが無事安全に登山できたのでよかったと思います。」と挨拶された。

18:34  鏡Aコープ前着。下りてゆくメンバー。

18:39  和多田大土井。2名下車。永江さんと川原さん。
18:45  町田自宅前で下車。今回、田中慶一郎さんと宮崎会長に随分励まされて、「一所懸命」より「一緒に懸命」かな?という感想を持った。皆さんのお陰様で、首尾一貫してすごくいい登山だったと思う。運転士の山口征幸さんの笑顔にも、すごく感謝している。

 


[Bコース記録]            野ア善則

6:00  唐津駅南口出発。(10)

6:15  大土井で2名乗車、鏡Aコープへ。人数確認後、目的地へ向け出発。
7:15  古賀SAでトイレ休憩。トイレがきれいに掃除され、整理整頓されていたのに感心する。
8:30  安入寺でAコース13名を降ろし、内ヶ磯を目指し出発する。
9:00  内ヶ磯登山口に到着する。階段を登り、ダム堤に出る。福智山ダム湖畔を数十分歩く。三軒家橋から林道に入る。ここ2・3日の寒波で積雪を期待していたが、ほとんど雪がない。ちょっとガッカリ。登山道は何度も林道を突っ切っていたが、前方に福智山に向かわれている地元の中年男性についていく。道に迷うことがなくなって安心する。
9:50  大塔の分かれ到着。谷沿いの筑豊新道を山頂へ向かう。道標には、「中級者以上向き」と記してある。「B班全員が、登山歴数年から数十年のベテラン、大丈夫。」と米倉さんの一声で元気に出発する。登るにつれて険しいガレ場が続く。肌に感じる空気も冷たくなってきた。左側に沢を見ながら、さらに上へと一歩一歩用心しながら確実に歩く。途中登山道を間違えたが、米倉さんの的確な一言で本来の登山道に戻る。
11:40  悪戦苦闘しながらも、やがて尾根にたどり着く。山頂まであと0.3キロ、山頂は見えている。ここからは強風・雪との戦い、特に強風には悩ませられる。
12:00  やっとの思いで山頂に着いた。集合写真を撮り、昼ご飯を小屋で食べようとするが、早々と諦め下山する。風がない所で昼ご飯。A班と連絡がとれ、アイゼンを装着して上野峡へ向かう。
13:10  鷹取山との分岐に到着する。間もなくA班の健脚2名が到着。
13:30  AB班全員揃う。鷹取山に向かう。
13:50  15分ほどで山頂へ。直方市が一望できた。最近ウナギも俎上するという遠賀川も見える。“城跡から見下ろせば青く細い川、造り酒屋のレンガ煙突 この街を綿菓子に染めぬいた雪が消えれば、お前がこの街を出てから初めての春”さだまさしの名曲「案山子」を思い出した。歌いたい気持ちになる風景だった。定着した「万歳」の後、集合写真。
15:00  上野峡茶屋に到着、マイクロバスに乗り込む。途中、健康ランドで入浴し各自買い物を楽しむ。
16:25  健康ランド出発。車内ではさっそく宴会。いやいや1年に1回位は静かにしておこう。座席が隣になった北島さんから焼酎を頂く。遠慮なく飲ませて貰う。帰りはどうしようかと思ったが、結局酒の誘惑に負けてしまった。九州自然歩道を歩く第2弾、寒さに耐えながら頑張った山行きであった。
18:20  Aコープ着、18:40唐津駅到着。参加された皆さん、お疲れさまでした。



 


追伸 記録は正確なものでなければなりません。しかし、私の記憶は曖昧でしたので、正確ではないかもしれません。注意して呼んでください。