月例山行
絶顛からの紅葉狩り
’10.11.21(日)
中山仙境 記録 米倉暢子
[参 加 者] 28名
CL牧野勝支 新岡哲子 道永渥子 山﨑幸美 市丸積男 宮﨑三郎
SL冨田けい子 林田哲郎 折田 裕 米倉暢子 高尾秀人 西岡 勝
田中慶一郎 井上昌子 田中信公 瀬戸友子 江口敏行 菊川保則
西村美智子 古賀政敏 古賀幹子 溝上かな 溝上鉄平 久保 恵
松尾美千子 井上靖章 盛永和恵 高尾久美惠
[行 程]
唐津 ～ 宇佐IC ～ 前田登山口
6:00
9:25 10:30
登山口 ～ 分岐 ～ 無明橋～ 高城 ～ 馬ノ背 ～ 下山口
10:50 11:25
12:05 12:25 12:30~13:20
14:00
駐車場 ～ 温泉 ～ 唐津
14:30 16:00 20:00頃
[記 録」
「きれいねえ。」すでに山の紅葉は終わり、今は里山へと降りている。筑後の柿畑に始まり、だんだんと広がっていく紅葉。数日前の黄砂もすっかりとれ、澄んだ空に山も紅葉も輝いている。湯布院盆地はすっぽり被った雲海の下。深まっていく秋に見とれ、ふっと時計をのぞくと9時を回っている。
今日は、唐津発6時。白みかけた空にただ一つ明けの明星が輝いていた。歩行時間が少ないからと、遅い出発となったが。ゆっくりしたバスに、到着が遅れるなあと気がかりになる。遅れを取り戻そうと、早道したつもりが道を尋ねた地元の人は「バスは通らないでしょう。」と迂回する羽目に。“急がば回れ”でした。（これからは、道路地図も持参しなくっちゃ。）
歩行開始。今日は28名という大集団。1時間ほど遅れてしまったけれど、みな意気軒昂。同行2人、ならぬワイワイガヤガヤ、賑やかに太子の修行した道を進んでいく。今なお多くの信仰を集めているらしく、丸太の階段道は立派に整備され、登山道というより散歩道。凝灰岩特有の淡い木立の樹林の道は、時々ハッとするような紅葉が混じる。木漏れ日に透けて輝く紅い葉、はらはらと落ちる黄色い葉、お地蔵様や札所。見所いっぱいで自然に足が止まってしまう、小さな起伏の尾根道。登っているのか下っているのか。
“トンネルを抜けるとそこは仙境だった” 尾根道の行く手をはばんだ倒木。その大きな根っこにうがたれたトンネルを抜けると、広がる視界に景色は一変。真下には紅葉のすすんだ深い谷、谷の向こうには対峙する岩峰の連なり、という絶景が目に飛び込んでくる。まさに仙人でも住んでいそうな光景だ。
3番札所の絶壁から「オーイ。」の声。こちらの4番札所の絶壁からも「オーイ。」と応える。狭間の谷は紅葉に覆われ、岩の中腹には野菊が大きく群れているのが鮮やかだ。ここまで40分、周りに目を奪われ、疲れを知らずに登ってきた。「今年は今日が初参加。」という人も、小学生も、まったく疲れを知らない元気顔。クサリ場やナイフリッジの尾根のスリルを楽しむ。
「あっちの岩山も登ってみたいね。」と言いつつ、岩塔のヤセ尾根を登ったり降りたり。たぶん向こうの山から見れば、こちらも同じ風景なのかもしれないけれど。 紅葉の中にそそり立つ岩峰は一服の絵のようで、すっぱり切れ落ちた岩の上で肝を冷やし、野菊に道案内されながら無明橋へ。
むみょう橋というそうな。無明とは、仏教用語で煩悩にとらわれて仏法の根本が理解できない状態を指すらしい。煩悩を捨て迷わず進む道しるべとして、渡らねばならない橋なのだろう。橋自体は頑丈でりっぱな石の一本橋だけれど、左手は断崖絶壁(？)となっている。今日は参加していないけれど、会員の誰かさんなら、多分渡れないだろうな。
「ヤッホー～。」無明橋を過ぎ、いよいよ最後の登りかと進んでいる樹林の中から、冨田さんの長～いオタケビ。やっぱりこれがなくっちゃ“からつ労山”じゃないよね。12時を回ってはいたが、お腹の空いた身体も元気回復。最後のクサリ場を越えて高城山頂へ。岩峰の小さな山頂に大きな石碑、石仏の祠、ひっそりと四等三角点、そして鳥にでもなったように見晴らす眺め。今日はほんとにいい天気。
みんなが座れる場所を求めて次の岩峰へ。思い思いに座り、遅い昼食。穏やかな秋の陽光を浴び、絶景を楽しみながら。
唯一アテの外れたこと。それはイワマツ。いつもなら岩峰を幾重にも覆い尽くしているはずなのに。くるくる巻きに岩壁にしがみついていた。連日の晴天であればこの光景もまた理かな、と思いつつもなんだか個体数が減り、株も小型化しているようで仕方ない。くるくる巻いたイワマツの連なりも面白い風情だけれど。
こんなのんびりした山行は何時以来だろう。しかもてっぺんは労山独り占め。ゆっくり写真におさまり下山へ。危なっかしい岩壁を巻いて、門のように聳え立つ2本のメタセコイヤを通り抜けると、直ぐに下山口。今日もまた安心安全の山でした。
アプローチの時間が長く、予定していた昭和の町見物はできませんでした。しかし、たかだか400mに満たない低山とはいえ、次々と現れる岩場と絶景、紅葉の中をたくさんの仲間と巡る、晩秋の“国の東”でした。バスはサロンカー。賑やかながらも初参加のかなちゃん、鉄平くんの前に、みんなは紳士。皆さんのご協力の下、予定通りの帰唐で“龍馬の大政奉還”に間にあったゼヨ。
