花は、花は、遅かった!
雁俣山 ’12.5.20(日)
1,315m 記録 川原康廣
参加者 21名
CL日高 沖 冨田けい子 平野徹雄 宮崎三郎 林田哲郎 市丸積男
SL田中慶一郎 前田文子 西岡 勝 永吉悦子 山崎幸美 大島明美
牧野ハルノ 伊藤立己 楢崎重義 吉田武敏 田中克博 井上幸子
七種テイ子 北島俊郎 原康廣
九州脊梁山地という響きから、九州の背骨のような山々が連なるということと、併せて山奥のイメージを連想していた。また、今回の雁俣山はよく言われる『カタクリ』の花が有名で、一度は訪ねてみたい山の一つであった。
『カタクリ』はもう終わった時期ではあったが、もしかしたら『晩生のカタクリ』に出会えるかも知れないと密かに期待して山行に臨んだ。
6:00 唐津駅南口出発 5名乗車。 6:05 大土井にて1名乗車。
6:10 鏡武道館にて14名乗車。6時15分出発。
6:50 多久インター入口で1名乗車し、今回の参加者21名で高速に乗 った。高速に乗ってから、今回のCL日高氏より挨拶。『靴の紐を解くまで気を引き締めて歩こう』との注意があった。SL田中慶氏からは「昼食時間との関係もあり、ゆっくり歩きをするので協力を。」との呼びかけがあった。
その後、金立サービスエリアで一回目の休憩、会費徴収をし、二回目は緑川パーキングエリアで休憩をした。緑川パーキングエリアを過ぎて、5月連休の特別企画の結果報告が行われた。
先ず、林田氏より北アルプス『槍ヶ岳』の山行について、メンバーの力量を見極めたチーム編成の必要性、単独プレイの危うさなど教訓を得た報告された。
次に日高氏より『祖母山・古祖母山縦走』について、好天に恵まれてよかったこと、九合目小屋は思ったより綺麗になっていたこと、宿泊者が思いのほか多くて眠れなかった?ことなどが報告された。
この報告の後、冨田事務局長より、白馬岳登山での苦い経験談の話があり、山の怖さについて改めて自覚させられる内容であった。
特別企画の報告が終わると、西岡さんが持ってきた田部井淳子、内多勝康(NHKアナウンサー)が挑んだ『北アルプス大縦走』のビデオを鑑賞し、臨場感溢れる感動の山歩きに見入った。
ビデオ鑑賞をしているうちにバスは、松橋インターで高速を降り国道218号線を
くねくね道をどう表現したら相応しいかと西岡さんと話していたら『いろは坂』ではどうかと提案された。『九十九折』の『折』よりも『いろはにほへと』の『かな』を続けて書く方に、その姿が似ていると、私も得心した。七郎次水源を過ぎてもまだまだ『いろは坂』は高度を上げていく。途中で何台かの対向車との離合を慎重に行いながら、ようやく二本杉展望所(1100m)に達した。
9:39 二本杉展望所から直ぐの所に、二本杉峠があり、茶屋の横の駐車場に着いた。
ちょうど峠に着く手前から小雨が振り出したので、全員雨具を着用。特に雁俣山山頂からのやせ尾根や急降下するロープ場などを考えると「余り降らなければいいが」と祈らずにはいられなかった。
9:58 ラジオ体操で体を解した後、SLの田中慶さんを先頭に登山口に歩みを進め
た。10分程で黒原部落分岐に達したが、ここは黒原部落経由での下山時に再
び通るとの説明があった。
10:30 雁俣山直登コースとカタクリ群生地コースの分岐に達し、全員がカタクリ
群生地コースに進んだ。カタクリの群生地は『やはり』というか『当然』と
いうか『カタクリの花』はなく、今やカタクリは『実』を付けていた。『花』
を見に来る人は多いだろうが『実』を見に来る人は少ないだろう、意外と知
られてないかもしれないなどと思いながら、群生地の花に思いを巡らせた。
カタクリの実
10:50 群生地を過ぎて、前出の直登コースからの道と合流した。いよいよ山頂ま
での急坂が始まるので、ちょうど小雨も止んでいたので雨具を脱いだりなど
衣服調整と休憩を入れた。
山頂までの急坂は雨が降ったら滑るような赤土がむき出しになっており、
木の根や枝、時には岩の割れ目に手を掛けながら、呼吸を荒くしながらも
音を上げることなく全員が確実に登り上がった。
山頂直下で15名ほどの久留米の登山グループとすれ違った。
雁股山頂付近にあったギンリョウソウ
11:15 雁俣山山頂に到着。山頂に着くなり女性軍から『バンザイ』の歓声が響い
た。そして女性8名だけで『バンザイ』のポーズで記念撮影。笑顔が輝いて
いた。
お昼の時間には早いもののここで食事となった。南北に細長い山頂部で横に
並んでの食事が始まった。食事が終わる頃3名の登山者が山頂に登ってきた。
11:50 食事が早く済んだので、出発が15分早くなった。出発前に記念撮影をした。
食後は、山頂から往路を引き返す5名とやせ尾根を下り黒原部落経由で下山
する16名とに分かれて行動した。
やせ尾根は、東側が切れ落ちていたり、両側が急斜面となっていたりとやせ尾根を象徴する縦走路が続いた。また、ロープに掴まっての岩場下りや両側が背丈以上もあるスズタケに囲まれた長い急降
下場所があったりと緊張の下山となった。そんな中で、縦走路に遅咲きのミツバツツジを見つけることが出来、今年花見にいけなかった私にとっては、嬉しい花との出会いとなった。
ブナの三叉路まで下って一休憩した後、道標に従って黒原を目指した。しばらく杉の林を下ると美しい自然林に着いた。案内にある素敵な落葉樹の森である。そこから未舗装の林道までは直ぐであった。
12:50 未舗装林道に下り立ち、黒原部落に向け下った。石楠花の大木を見ながら
行くと間もなく民家があり、家の周りには沢山のつつじの花か咲き乱れていた。舗装路を下っていく途中にも盛りは過ぎたものの石楠花の花が咲いている木があり、淡いピンクや白い花々との嬉しい
出会いがあり感激した。
12:59 舗装路脇に『二本杉』方向を示す道標があり、再び登山道に足を進めた。
想定では20分程で朝に通過した分岐に戻るはずである。分岐まで後5分程の所で旧黒原登山口に向かう旧登山道に進路をとったことで10分余りロスタイムが出たものの13:33には分岐に着いた。
下山途中で見かけたエビネラン
本当に美しい自然林
13:44 二本杉の登山口に到着。何とか雨にも遭わずに歩き通すことが出来、みん
なの顔にも安堵の笑顔が広がった。
雁俣山山頂から往路を引き返した5名は、13時頃には登山口に戻ったとい
うことで、全員が合流してお互いの健闘を讃えあった。なお、彼らは縦走組の到着を待つ間に、峠周辺でイタドリを採取して岐路の酒のつまみを用意してくれていた。
14:00頃 二本杉峠を出発し、佐俣の湯を目指した。
もちろん、出発前に峠の茶屋『東山本店』に入り、山うど味噌や山菜のてんぷらなどを買った。山菜のてんぷらは車中の酒のつまみとして早速開封し、ダラの芽や蕗の薹、蕨などなど美味しくいただい
た。時間があれば山菜蕎麦やヤマメ定食も食べたかったが、これは次の楽しみに取っておこう。
14:50 佐俣の湯『元湯』に着いた。いろは坂を下るにも意外と時間が掛かってい
た。CLから16時出発が告げられ、早速浴場に向かった。佐俣の湯『元湯』
は、古くからの温泉場として知られていたそうで、泉質は嬉野温泉の美人の
湯のように肌がつるつるになり、とても気持ちよかった。
15:55 予定時間前に佐俣の湯『元湯』を出発。出発前に農産物直売所やコンビニ
での買い物を済ましたことは言うまでもないが、その後男性軍は酒宴が繰り
広げられた。イタドリのツマミも振舞われた。初めて食べる食感であったが、
山うど味噌をつけて食べると美味であった。外はまだ明るい時間であったが、
いつものように山の歌やカラオケも始まり賑やかに会話が弾んだ。ただ、車
の運転があって飲めない人やお酒を飲まない人にとっては苦痛の時間だった
かも知らないが、ごめんなさい。
16:50 玉名PAでトイレタイム。 17:45 金立PAで最後のトイレタイム。
18:10 多久インターより高速を降り、インター出た所で伊万里からの大島さんが
下車。後は鏡の武道館を目指して快調にバスは進んだ。当初計画時間20:00
頃からすれば遥かに早い到着になりそうである。
18:43 鏡の武道館に到着。大土井、唐津駅南口で下車する6名を残して14名が
下車。無事今回の月例山行が終わった。
月例山行を終えて、SLの田中慶さんの下調べには頭が下がった。歩くス
ピードや的確なコース状況の解説など、安心して付いて歩け感謝に堪えな
い。また、一緒に歩いた皆さんとの会話も楽しい時間でした。いい時を一
緒に過ごせたことに感謝します。
* * * * *
さて、私事ではあるが「からつ労山」を去る日が近づいてきた。思えば平成20年10月に加入させてもらい、多くの山行に参加し、多くの諸先輩の皆様に可愛がっていただいた。
一番記憶に残っているのが初参加の初めての祖母山登山である。尾平登山口からスタートし、宮原に付く手前で足が攣って米倉さんご夫婦と今は亡き安藤さんに同伴してもらった。あの時ほど自らの体力の衰え
を痛感したことはなかった。以来少しずつリベンジを果たすべく毎年祖母山に単独登山を行って、どうにか足が攣ることもなくなった。
山以外では「楽しくやろう会」である。コーラスに余興にと沢山出させてもらい楽しませてもらった。それと沢山お酒もいただいた。宮崎相談役(前会長)にも沢山飲ませていただいた。想い出は尽きない。
いずれにしても山行や総会後の懇親会等など、触れ合った皆様すべてにこの紙面を借りてお礼を申し上げます。お世話になりました。ありがとうございました。
再び会える日を楽しみにしています。皆様元気でお過ごしください。
なお、6月の清掃登山までは参加したいと思っています。よろしくお願いします。