’12.7.29~8.2

北穂高〜涸沢岳〜奥穂高　  火打山〜妙高山＆西穂独標

 3,106m  3,110m  3,190m    2,462m  2,454m  2,701m

[参加者]

永江忠之    宮�ｱ三郎　　菊川保則　　米倉暢子　　上川淳悟　　新岡哲子　

平野徹雄　　大島明美　　西岡　勝　　瀬戸友子　　田中克博

日高　沖　　江口敏行　　永吉悦子　　七種テイ子 　前田文子　 古賀幹子

牧野勝支　　冨田敬治　　牧原辰夫　　井本眞由美

[行　程]

(穂高連峰)

[Ｂコース記録]

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　江口敏行

7/29(日)　1日目は計画書通り、石川県小松空港に届き小型の貸切バスに乗り、平湯温泉経由で日本海・直江津の先、妙高高原ホテル・ルーエに着く。早々に風呂にも入らず夕食となる。ここ新潟産頸城牛?の柔らかいステーキを肴に妙高高原地ビールと地酒を少々いただき満足した。

7/30(月)　ホテルを予定より30分早く出る。笹ヶ峰の登山口までルーエの車２台で送っていただき感謝する。途中、透通るような空の青さと白いダケカンバの木立の中に咲く何ともいえない美しいコバルトブルーの山紫陽花が、これからの天気を占っているようだった。

　　 焼山▲2400---火打山▲2462m---妙高山▲2454mは頸城(くびき)三山と呼ばれ、火打山はその最高峰でもある。登山口で届けを済ませ火打山をめざし出発する。3ヶ月ぶりの山行、ザックの重量も普段の倍、トレーニング不足に寝不足、そして昨夜の飲み過ぎ、、、足腰が重い! 

     澄んだ鶯の声を聴き、緑の美しいブナ林を1時間、ゆっくり登っていくと黒沢の水場に出る。ここで15分間の休憩をとり体調を整えた。十分に水を補給し丸木の黒沢橋を渡ると、つづら折の急登がはじまる。ここが難所の十二曲りだ!  数を数えながら登っていくと、数が合わないうちに最後の曲りを登ってしまっていた。｢案外簡単に登れたな。｣と思っていたが、ここから富士見平までの距離の長いこと、、、。

喘ぎながら更に進んでいくと、林の中から赤い三角屋根が見えホーッとした。高谷池ヒュッテだ。30分遅れで到着。ここで昼食。登山客が多いので、おにぎり1個の簡単な昼食を済ませ水も補給し、火打山の山頂へ向かった。

高谷池・天狗の庭は月山のような湿原で、周辺には赤紫色のハクサンコザクラ、ふわふわ風に揺れるワタスゲ、蓮の花のような形をしたキヌガサソウ、チングルマ、リンドウ、キンバイ、ツガザクラ、ユリなど多種多様な高山植物が群生していた。今年は特に雪が多かったので、開花時期が今頃になったとかでバッチリでした。

天狗の庭を回り込んだところから登りになり、更に急なハイマツの登りが続いた。ザックが肩にくいこみ痛い!  いやな中学生の団体が下ってきた。ひとり一人挨拶してくれるので、こちらも一人ずつ声をかけなければならず「ハァハァ--」と息苦しくなりバテバテ!  富士山の苦しい9合目を登っているようでした。途中、珍しいきれいな花を見つけてもカメラに収める気力もなく、無感動な状態。35分遅れで6名（4名リタイア）が山頂に着く。残念ながらガスって何も見えず早めに下山。

高谷池分れ前で2度目の昼食タイム。残りのおにぎりとビスケットを水で流し込み、体調を整え黒沢池ヒュッテをめざす。高谷池分れを過ぎてから、大粒の雨が降り出し雷も鳴り出した。急いでザックからカッパを取出して着るが、急な雨と雨除けの樹もないのでずぶ濡れになる。ヒュッテまで1時間足らずなので我慢して進む。茶臼山を過ぎた頃には雨も小降りになり青空が見え出した。

7分早くドーム状の特徴のある山小屋に到着する。着いて早々、前田さんがみんなに買ってくれた缶ビールで乾杯した。乾いた喉をゴクゴク鳴らしながら流れる琥珀色の美しい液体は、あっという間に無くなってしまった。----ほんと最高にうまいビールでした。前田さんに感謝!

八角形？ドームの薄暗く湿った3階に寝床を確保し、夕食まで横になる。またいやな雨が降り出した。明日の天気が心配になってくる。妙高の山頂(北・南峰)を越えなければルートがなく、短絡ルートもない。落伍者は許されない!  また出発前日に燕温泉ルートから赤倉方面に変更されている。スカイケーブルの運行時間は？ 平湯までの最終バスに乗れるの？ いやな雨で心配事が増える。夕食後、明日の平湯温泉までの交通手段・時間他ミーティングして早めに床に着く。

7/31(火)　3時30分起床。朝食はクレープ（各種あるジャムをつけて食べる）に薄いコーヒー、コンソメスープを流し込み、レトルト弁当と水をザックに詰め込み、早めに出発することにした。30分早く出る予定だったが、スパッツの装着・準備体操などに20分かかり10分程度の短縮にしかならなかった。

　　 今日は天気がいい!  昨夜の不安が嘘のようだ。40分強で大倉乗越に着いた。視界がいいので妙高山が目前に見える。(鏡山を間近に見る高さに思えたが、甘い! )  重量感のある山容は“越後富士”とも呼ばれ、後ろに見える女性的な“花の火打山”とは対照的だ。

　　乗越の急斜面を下ったところから平坦な深い草・クマザサの茂る蒸し暑い登山道がトラバース気味に続く。先頭なので長い草、笹などに付いている水滴(昨夜の雨)でズボンがジュクジュクに濡れ気持ち悪い。

　 ｢先頭より後方が得するなぁ。｣と愚痴言いながら歩いていると、長助池分岐に出た。長助池？も雪渓に覆われていた。雪の乾燥した冷気の中で休憩でき、たいへん疲れがとれた。

ここから雪渓の残る急斜面を1時間半近く登れば山頂だ。頑張ろう!  苦しい登りが続き、予定より25分遅く山頂(北峰2446m)到着。ここからの展望は最高!  北東に焼山・火打山が、西に一部雪に覆われた朝日・白馬岳から唐松岳へ続く後立山が大きくはっきり見え、また南には富士山も小さく見えた。

にぎわう北峰をあとにし、ゴロゴロしている大岩の最高点、南峰2454mに向かう。ここに妙高大神の祠があったので安全を祈願して岩場を急下降、樹林帯まで下った。途中、長い鎖場があったが、難なく下降し天狗平に着いた。ここで簡単な昼食を済ませ計画通り(当初は燕温泉)、赤倉方面のスカイケーブル山頂駅へ向かうことにした。炎天下のダラダラした下り道を2時間近くかけ、やっと山頂駅に着いた。

麓駅からはホテルの車に迎えにきてもらいJR妙高高原駅に向かった。(大感謝。）信越本線で長野へ、篠ノ井線で松本へ。平湯行の最終バスには余裕で乗れた。（乗れなかったら松本からタクシーでもと考えていた。）予定通りひらゆの森に着き、風呂の前に食事!  そして、生ビールで鮎の塩焼き、柔らかい脂ののった黒毛和牛(飛騨牛) を肴に乾杯、、、美味しい酒と温泉三昧!  たいへん満足した一日でした。

8/1(水)　今日はバスで上高地に入る観光グループ5名と、西穂から上高地へ下る

登山グループに分かれて活動することになった。4時からゆっくりと朝風呂を楽

しみ、6時30分からの朝食を10分早くとらせてもらい、何とかにし穂高温泉行バスに乗れ、8時のロープウェイに間に合った。始発でもお客が多い! (8kgオーバーしたザックは別料金)　ロープウェイを乗り継ぎ標高2150m西穂高口駅まで上がった。ここからCL日高、牧野、井本、牧原、江口の5名で2701mの西穂独標に登り、Ａグループとの最終合流地点、上高地アルペンホテルをめざす。

　登山口から西穂山荘まで樹林帯のアップダウンの厳しい登山道を1時間半かけて登った。時々樹林の間から見えてくる雄大な笠ヶ岳が我々の疲れを癒してくれた。計画書より2分早く山荘に着く。(展望台で時間を使ってなければ20分ぐらい早かったのでは？)

15分間の休憩をとり小屋の北側の登山道を30分かけ丸山のピーク2452mに着いた。ここからはさらに大きくなった笠ヶ岳、双六岳などの2800mクラスの山々が、正面には独標・ピラミッドピーク・山頂の尖った厳しいピークが見えてくる。ここから先、ハイマツが続く登山道をゆっくり30分ぐらい進んでいくと、独標・ピラミッドピークが更に大きく見えてきた。後には焼岳2455mが、下には大正池が見える。独標近くまできたら何十人かの人の歌声が聞こえてきた。山の歌だろうか？　淋しいお経のようにも聞こえてきた。

独標に20分早く登り着いた。ここで滑落死された方を弔っていたのか？ 狭いテラスに線香や花が置いてあった。このピークから先の厳しい岩場が続く西穂、奥穂〜前穂の吊尾根が見えた。30年前の若い頃、こんな厳しい山を登ったのだろうか？ 重い黄色い横長のザック(キスリング)を担いで登っていたのだろうか？、、、考えさせられた。記念写真を撮ってもらい、早めに山荘に引き返した。

山荘に着いたら牧野さんが缶ビールを買われたので、私と牧原さんはここでしか飲めない300円高い生ビールを飲ませてもらうことにした。----うま! の一言(山小屋の女性にジョッキを傾けている二人の写真を撮ってもらう) ほろ酔い気分にムチを打ち、上高地へ下山する。針葉樹林の深い森の中を、下っても下っても届かない。途中、牧原さんが玄文沢の水場に下りて、水を汲んでこられた。お言葉に甘え冷たく美味しいミネラルウォーターを一口ずつ頂き、皆さん元気がでたようだ。

15時、ようやく登山口に出てきた。ここから橋を渡らず梓川と並行に歩き、最終地のアルペンホテルに20分早く到着した。お疲れ様でした。

8/2(木)　上高地からはＡ・Ｂ全員揃って、貸切バスで乗鞍のお花畑を散策、飛騨

古川・白川郷を観光し、そこから標高Max1450mのスリルのある白山スーパー

林道を走って小松空港、福岡、唐津へと全員無事に帰ってきた。

　今回は天気に恵まれ、妙高側から北アルプスや富士山が、西穂高からは笠ヶ岳、穂高の峰々や遠く白山まで見られて最高の山行でした。皆さんお疲れ様でした!

る山行計画。その計画から皆への呼び

　かけ、交通機関・山小屋・保険会社、旅行社の諸手続き、と一切の事務処

理や連絡を引き受けてくださり明日は飛行機に乗る、、、というばかりにな

っての不参加。これまでいろんな無理をさせたのですね。ほんとうに申し

訳ありませんでした。

　　これ以上のものがあろうかという大展望の山に立っても、心にぽっかり

　と大きな穴があいたような、芯から満たされないところがありました。や

っぱり冨田さんのあの笑顔があってこそのアルプス遠征です。次回は何が

何でもご一緒にね。

　　その冨田さんから上高地アルペンホテルにメッセージが待っていました。

からつ労山21人の皆様へ

　　　お疲れさまです。

ホテルに着いた皆さん、日焼けした顔は喜びに満ちて、「幸せだョ〜、、。」

と私に伝わります。

　　　初日出発。梓川に架かる河童橋から遠くに見える穂高の山へスイッチ

ON、、、。峰々はガレ場、岩稜。多くの鎖や梯子などには三点支持を守り、

穂高頂上に立つ。素晴らしい大パノラマには、きっと満足で満ちた気持

ちでしょうネ!!  緊張する岩稜を下降した涸沢カールの高山植物のお花

畑では、心をいやされたことと思います。四日間、楽しく、またお疲れ

さまでした。

　　　火打山、妙高山は花の百名山です。高谷池、天狗の庭、泊まったヒュ

　　ッテでのハクサンコザクラ、フウロ、シロバナニガナ、ミズバショウ他、

　　たくさんの花の名前を覚えましたか。Mお嬢は｢10歩歩いたら忘れたア。」

って。ゴンドラに乗った感想は？ 新穂高ロープウェイ、一気に昇って遠

くに槍ヶ岳、眼下の上高地も違って見えたでしょう。山へ登る組、温泉に

浸り上高地へ行く組、それも楽しいネ!!

　　　上高地アルペンホテルでＡ班・Ｂ班が笑顔で一緒になり感動。仲間との

信頼と、労山いちばんのチームワークに満足度100％。乾杯!

　　　　　　　　　　　　　　　　　　冨田けい子