白銀の九州本土最高峰
中岳（１７９１ｍ）
記録 野口弘三
山行年月日：平成２０年２月１７日（日）
交通手段 ：マイクロバス
山行コース：牧の戸峠～沓掛山～扇ケ鼻分岐～西千里浜～久住分かれ～中岳～池ノ小屋
～久住分かれ～北千里浜～諏蛾守越～大曲（５時間４０分、１８０００歩）
参加者：２８名（名前は参加者名簿順）
ＣＬ：永吉悦子、ＳＬ：冨田けい子
Ａコース（上記コース）：２２名
永吉悦子、宮﨑三郎、北島敏郎、野﨑善則、折田裕、高尾秀人、野口弘三、伊藤立巳、
吉岡すみえ、上川淳悟、大島明美、西岡勝、田中勝、市丸積男、竹下幸枝、山崎欽治、
井上昌子、吉島かずき、林田哲郎、永江忠之、井本真由美、米倉暢子
Ｂコース（上記コースのうち中岳に行かず、久住分かれ～池ノ小屋ルートを選択）：５ 名
冨田けい子、古賀美津子、山下光生、山﨑幸美、増本章
Ｃコース（牧の戸峠～星生山直下の西千里ケ浜～牧の戸峠）：１名
西村美智子
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○唐津～牧の戸峠登山口
５：００唐津駅出発（６人乗車）～５：２０鏡Ａコープ（１５人乗車）～５：３５相知 大野（１人乗車）～５：４３ＪＲ岩屋駅（１名乗車）～６：００多久ＩＣ（５名乗車） （マイクロバスは満席で補助席まで使っています）～６：５０山田ＰＣ～７：４５九重 ＩＣ～色彩ロード～８：２７長者原～やまなみハイウｪー～８：３６牧の戸峠
今日の天気予報は、西高東低の強い冬型、日本海にはスジ上の雲が発達し、四国山地、九重山系ともかなり冷えるとの予報、自宅から唐津駅まで歩いていると、時折小雪も降っており今日の山行、冬山体験、白銀の世界に大いに期待が持てます。
道路は、大分道にも少し雪が見られますが、難なくすいすいと九重ＩＣに到着、その後牧の戸峠までは、雪が少し積もっているところもあって、マイクロバスは細心の注意を払って牧の戸峠に到着。駐車場には、すでにマイクロバス２台、マイカー１０数台が駐車、すでに出発しているようである。こんな雪の日に好きな人もいるものだなあと変に感心（自分たちも同類項なのに）。
○牧の戸峠（9:10）～沓掛山の肩（9:25）～沓掛山（1503m）～扇ケ鼻分岐～西千里浜～ 久住分かれ（10:55、6680歩）
マイクロバスを下車、スパッツ、レインウエアー、アイゼン装着など登山準備を整え、各自準備体操、２８名が間を開けないよう一列縦隊で一歩一歩雪道を歩いていく。牧の戸峠からの最初の登りは、コンクリート道であるが、積雪のため、非常に歩きやすい。登山道、樹木とも雪に被われ、すばらしい雪景色、またアイゼンを装着した靴が雪を踏み固める、あのギッシギッシという音も何とも言えないものです。そうしているうちに沓掛山
 
牧の戸登山口 一列縦隊で！
の肩に到着（9:25）。集合写真を撮る。肩に設置の温度は、氷点下８℃（本当？）を示している。肩を9:34出発。まだまだ余裕ですが、日が照らず吹雪いているため九重山系の山々が殆ど見えません。
扇ケ鼻分岐を過ぎ、西千里ケ浜まで進んでくると、だんだんと北風が強くなり、吹雪いて来ました。星生山の陰に入ってようやく風を忍んでいる状況です。
西千里ケ浜を過ぎ、10:55に久住避難小屋到着（6680歩）。
途中ガレ場、岩場の歩きにくい所も積雪のため歩きやすく、まだここまでは快調です。
それはそうと、韓国の観光客が、久住避難小屋から何人も出て来るではないですか。韓国パワーは、冬の九重まで押し寄せてきているんですね。すごい。服装・装備が軽装なの
には驚きましたが。
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すばらしい雪景色 雪積もる中を進む
沓掛山肩
○久住避難小屋（10:57）～久住分かれ（11:17）～空池の縁～御池の縁～中岳（11:47、8680 歩）～中岳出発（11:56）～池ノ小屋（12:14、9100歩、昼食）～池ノ小屋（12:50スタ ート）～御池の縁～久住分かれ（13:12、11470歩）
久住避難小屋過ぎると直ぐに久住分かれ、右に行くと久住山、今日は左へとって中岳へ。
風が強く、気温が低いためキャップでは耳がちぎれるように痛くなったため、冬帽子を着用。計画時点でのＡコースは、御池を時計回りに天狗ケ城（1780m）経由で中岳を目指す予定であったが、想像以上に風が強く、天狗ケ城踏破を断念、御池を反時計回りに歩き中岳を目指すこととなった。御池は完全に氷っており我々は氷った池の上を歩くこととなった。
御池を渡って５名は池ノ小屋へ、残りの２２名は天狗ケ城と中岳の鞍部から中岳を目指した。中岳頂上に近づくにつれ、風は更に強くなり、気温も急激に低下している模様で、露出した顔が痛い。強風で吹き飛ばされそうなところを、よろけながらも必死で踏ん張り、ようやく九州本土最高峰１７９１ｍの"中岳"に到着。周りが見えないためか頂上に到着した感じがしない。天気が良ければ、さぞかし"すばらしい雪景色"が見られたのではと、非常に残念です。
中岳山頂では、記念撮影を含め９分間滞在したのみで急いで下山、冨田さん達５名が待つ池ノ小屋へと進路を取った。池ノ小屋へのルートが少し分かりづらかったが、リーダーの的確な判断で無事通過し小屋へ到着。
池ノ小屋で昼食、普段の昼食に比べ食事時間が短い。誰でもが急いでいる感じがする。
ザックのサイドポケットに収容のペットボトル（お茶、スポーツドリンク）は、完全に氷っており飲めず、気温の低下具合を実感。
小屋出発、次いで氷った御池の上を通過し、久住分かれに無事到着（氷点下４℃）。
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猛吹雪の中を一歩一歩
猛烈な吹雪の中岳山頂
○久住分かれ（13:22スタート）～北千里浜～法華院・諏蛾守分岐（14:05、14000歩）～ 諏蛾守越（14:23、14500歩）～大曲（15:11、18035歩、後発組15:30着）
久住分かれで１０分ほど休憩後、北千里浜への急坂を降っていく。星生山、中岳、三俣山に囲まれているためか、あれほど強かった風が全く当たらず天国です。そのためか、雪が吹き溜まり状態で、登山道はやや雪深く、やや歩きにくくなっています。
歩きにくいためか、余裕が出てきたためか、坂では尻スキーをする人もいます。
北千里浜を通って法華院・諏蛾守分岐へ、ここで少し休憩。真正面にはどっしりした三俣山がそびえていますが、時々山容を見せる程度で、まだ天気は良くなりません。休憩の時、更に余裕が出てきた人がいて、雪合戦までする人も現れています。雪は乾燥して湿気が足りないためか、さらさらで雪合戦の雪をつくることが出来ません。
北千里浜までの間で霧氷が殆ど観察されませんでしたが、それも乾燥しているためなのでしょう。
休憩後、だらだら坂を登っていくと、１５分程度で諏蛾守（すがもり）越に到着。北側が三俣山登山口です。諏蛾守越の避難小屋には「愛の鐘」がつるされており、この鐘は、昭和３７年、北千里浜で発生した大分県山岳遭難史上最悪の７人遭難死の慰霊と、道に迷った登山者に鐘の音で避難小屋の方向を知らせるため、久留米市のニッカゴム社長夫人が寄贈されたものだそうです。鐘の横には"大いなる 九重の山に若人の ゆめまもりてと祈る鐘はなる"の詩が自然石に刻まれています。
諏蛾守越で休憩後、下り坂を降っていくが、正面前方には下界が見える。しばらく行くと道はなだらかになり、崩落注意箇所に気をつけながら、右にある沢山の砂防ダムをみながら歩を進める。途中メイン道から左折し、しばらく歩いた後、急坂を降るとマイクロバスの待機する大曲に到着。今回の山行も無事終了。ホットしたところです。
バスで後発隊を待っていると、急に晴れて、雪を被ったきらきらと輝く三俣山の姿が、感動の一時を味あうことができました。
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下山後振り返ると白銀輝く三俣山が！
（大曲駐車場より）
○大曲（15:50バス出発）～九重観光ホテル（16:00、入浴）
山登りの後は、恒例により温泉へ。冷えた体には温泉は一番の良薬。温泉から上がると疲れがどっときたが、これも温泉の効用か。
風呂上がりのみんなの顔が日焼け顔です、これ雪焼けなんですかね。
○九重観光ホテル（16:48出発）～九重ＩＣ（17:42）～金立ＳＡ（18:55、夕食）～多久ＩＣ（19:40）～岩屋駅～相知大野（20:05）～古代の森会館駐車場（20:20）～唐津駅（20:40）
○これぞ冬山登山
我がからつ労山でも、九州の山で、今回の山行のような"厳しい冬山登山"を経験できるのは、珍しいことのようです（古参の会員談）。
良い体験ができたのではないでしょうか。
今回の反省点として、視界がきかない時は人と人の間隔を開けずに紐等を利用しはぐれないようにすること、踏跡は強風、降雪によって直ぐに消えることがあるため注意すること、要所要所で人数の確認を行うこと等があげられ、会員の皆さんへ注意喚起がなされた。
九州本土最高峰、中岳山行、本当に皆様ご苦労様でした。
次回３月の岩宇土山山行にも皆さんそろって参加し、フクジュソウを観賞しに行きましょう。
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